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住職日記

2017/12/05

いのちの現場から

2017年も残すところあと僅かとなりました。
今年の締め括り、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。
 
師走というだけあり、多くの方々の忙しさに拍車がかかる時期でもあります。
 
束の間の息抜き、大切ですよね。
 
私はここ数ヶ月ハマってしまい、なかなか抜け出せないものがあります。
それは「読書」
カッコよく書きましたが、読んでいるものはマンガです。
しかし、マンガとは日本が世界に誇る文化!だと改めて感じています。
私が小さい頃読んでいたマンガの世界とは桁違いにジャンルが豊富になり、クオリティも上がり、ストーリーも様々です。
また、大人になった今だからこそ面白いと感じるモノも沢山あります。
息抜きとして読書をする時に、活字(例えば小説やエッセイ)も好きなのですが、感情移入して想像を膨らませる間に少しだけ時間がかかります。夜静かに読書する時などは良いのですが、仕事の合間に読むモノとしてはマンガの方がイラストがある分、すぐに世界観に浸れ、スイッチが入りやすい気がします。
そういった意味でも忙しい大人がマンガを読むというのは効率的だなと思います。
 
そんな私の今イチオシは鈴ノ木ユウさんの「コウノドリ」です。
 
「出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。」
 
本気で涙したマンガは「めぞん一刻」に続き2作目です。
本作は綿密な現場取材に基づいた非常にリアリティのある作品です。
その為、いのちが生まれる現場の壮絶なドラマを私たちに伝えてくれ、そして出産を取り巻く環境の光と陰を感じさせてくれます。
 
私には子供が一人いますが、その子が妻のお腹に宿り、そして出産に至るまでの経緯は鮮明に覚えています。
しかし、それは数多あるパターンの一つであり、さらには男性の視点です。
当然ながら妊娠・出産という出来事は、夫婦の数だけパターンがあり、そして男女で見え方も異なります。
現実には、他の方のパターンを知る機会もないですし、ましてや異性の視点から見える景色を体験することも難しいと思います。
 
本作はその点を鮮やかに描き、命を授かるという事は当たり前なのではなく、奇跡なのだと改めて感じさせてくれます。
また、それは自分の命を見つめ直すきっかけにもつながります。
 
そして日常では知りがたい、様々な方のパターンを知るだけでも理解が深まり、思いやりの行動につながるのではないかと思います。
 
年末で寒さが厳しくなりますが、ほっこりとした気分になりたい方はオススメです。
「こたつ」と「みかん」もお忘れなく。

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