お問い合わせ

妙福寺PRESS:妙福寺から日々のつぶやきやニュースをお届けします

妙福寺トップページ  >   妙福寺PRESS  >  住職日記  >  苦行の先に見える世界

住職日記

2019/06/25

苦行の先に見える世界

午後7時、職場を後にして一心不乱にある場所へ向かう。「あぁ、早くととのえたい」
今日は疲れた。理不尽なクレームもあった。時間ばかり過ぎる会議もあった。何より座りっぱなしで身体が痛い。最近、気持ちよく汗をかいていないな。
そんな事を考えながら、歩き続ける。
ヘトヘトの身体を引きづり、ようやく辿り着いた。
慣れた手付きで受付を済ませ、いよいよ突入する。
ここは相変わらず100度近い熱風が渦巻き、何人もの戦士達が日々の疲れを癒している。
滴る汗も顧みず、皆一様に寡黙に自己と向き合い、自分の体内から老廃物が出て行くのを待っている。5分、10分と過ぎ去り、体の毛穴という毛穴から老廃物が出ていく様を見ていると、心に溜まったいた澱も一緒に排出されていくようだ。
全身に充分に火照りを感じた瞬間、颯爽とその場を後にする。
丁寧に汗と老廃物を洗い流し、寒水へ身を投じる。
「うっ」という一瞬の躊躇が去来するが、すぐに今まで感じた事のない爽快感、開放感に包まれる。
入水直後は冷たく感じていた水温も、いつのまにか水と身体の間に薄い膜のような存在を感じ、不思議と暖かさすら感じる。自分の体内から発せられる息が暖かい事を感じ、命の実感をする。
暖かさが恋しくなったら潮時だ。
ゆっくりとその場を後にし、水分を補給したら、休憩タイムに入る。
全身の血流が一気に流れ出し、凝り固まった身体及び脳内を駆け巡り、信じられないようなディープリラックスが訪れる。
これを3セット〜5セット繰り返すのが、私の至福の時だ。
 
このような人々をサウナーと呼びます。
 
皆さんはサウナ好きですか?
女性にとっては少し縁遠いかもしれませんね。
少し前までサウナってわざわざ暑い所に入って、我慢する。罰ゲームというか苦行だな、と感じていました。
ところが、5月のある日にサウナのイメージが一変しました。
皆さんもご記憶にあると思いますが、5月に猛暑日が続いた期間がありましたね。
この時、お恥ずかしながら早めの夏バテを経験してしまいました。
身体が暑さに慣れず、上手に汗をかけないので熱がこもってしまい、体調を崩したようです。その回復と汗腺トレーニングの為に訪れた地元のサウナで、サウナーと交流を持った事がきっかけです。
 
そのサウナーにサウナのお作法を手解き頂くと、信じられない程のリラックスと開放感に包まれます。
このディープリラックスの状態をサウナー達は「ととのった」と表現します。
 
暑い炉の中で自己と向き合う苦行。
冷たい水の中で自分の体温を感じながら自己と向き合う苦行。
この両極端の苦行の末、深いリラックス状態に入る、
そしてこの状態を「ととのう」と表現する。
これ、さとりだな。。。
こんな冗談をフラフラ考えながらも、睡眠の質も上がり体調は回復しましたので、定期的に通っています。
サウナでなくとも良いと思いますが、本格的な夏を前に「汗をかく」という習慣を日常に取りれてはいかがでしょう。夏バテが軽減すると思います。
もしサウナに興味を持たれた方へは、これオススメです。
 
サ道〜マンガで読むサウナ道〜(モーニング KC)  
タナカカツキ著 
 
 

住職日記Comments(0)

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

*

code

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

バックナンバー

RSS Feed

Twitter

D5CB023A-7D31-4E44-B0C1-521F506CD42D

妙福寺おすすめ本

『昔話の深層』

河合隼雄

レビューを読む