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妙福寺あれこれ

2021/12/01

「善き苗を種えよ」

年末になりますと、色々な場面で今年1年を振り返る機会が多くあります。
いざ振り返ってみると、年始に立てた目標や実行しようと思っていた事を半分も達成できていない!という方も多いのではないでしょうか。
もちろん私もその一人です。
年始にはあれこれ考えて将来を見越した目標を打ち立てても、月日と共に目の前の仕事や雑務に忙殺され、いつしか忘れ去られる。
人の性ですね。
 
しかし、常に迫り来る目の前の事ばかりを処理していては、人としての成長は難しいですし、何より、いつも時間に追われている感覚があり、充実感や幸福感が得られません。
 
鎌倉時代に生きた日蓮上人は、そのような悩みを持つ人々を見て、このような言葉を残しました。
 
『願わくは一切の道俗 一時(いちじ)の世事を止めて 永劫の善苗(ぜんみょう)を種(う)えよ』
 
上人の目から社会を見ると、僧侶だけでなく市民も含めて多くの人々が、〈世事〉つまり目の前の雑務に追われ、心の潤いが枯渇しているように見えたのだと思います。
心が枯渇して、ガサガサしてしまった日常に潤いを戻す為には、一時でも雑務を止めて、心を調えなおし、将来の自分の為になる善き苗を種えなさい、と言います。
 
苗を種えても今すぐには役に立たないかもしれない、
しかし、必ず将来には成長した収穫物が自分の糧となる、そのような苗を種え育てる事が人として大切だという事です。
 
著書『7つの習慣』で有名なスティーブン・R・コヴィーは『緊急度と重要度のマトリックス』で、タスク整理を視覚化しています。
 
Aは緊急度も高く重要度も高い、つまり最優先すべきタスクです。
 
例えば、生死に関わる事などです。
一方、Dは緊急度重要度ともに低く、よっぽど余裕のある時に手を出すべき領域です。
Cは緊急度は高いが重要度は低い領域です。
性質にもよりますが、形だけの会議や、ゴミ出し洗濯など日常の雑務と言われる部分ですね。自分の体調や状況に合わせて柔軟に判断すべきところです。
 
そしてB領域。ここは緊急度は低いですが、重要度の高い領域です。
緊急性が低い為、後回しにされがちですが、将来への投資として重要な部分です。
将来の転職を見据えて、資格習得の勉強をしたり、語学を身に付けたり、または健康寿命延伸の為に運動をする、なども含まれます。
今すぐ対応しなくても問題は起きませんが、長期的な視野で見ると、とても重要な意味を持つ部分です。
日蓮上人の云う〈善苗〉とは、ここに種えるべきものです。
ここに種えた苗が、時間とともに成長し将来の自分を助ける糧となるわけです。
 
私たちはどうしてもC領域に時間を取られがちになりますが、習慣的にマインドフルネスな気持ちで心を調え、自分にとってのB領域〈善苗〉とは何か?そして〈善苗〉を種えているだろうか?と振り返る時間を作って頂きたいと思います。
木曜日の夜、皆様と一緒に瞑想する時間が、そのような意味を持つ事を願っています。

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