『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 妙福寺PRESS > 妙福寺あれこれ > ちりし花もまたさきぬ をちし菓もまたなりぬ
2025/07/01
日蓮聖人が千日尼へ送った手紙にあるこの一節。散った花も、やがてまた咲き、落ちた実も再びなる——自然の巡りは、人生の希望を映しています。
うまくいかない時期があっても、それは終わりではありません。努力が報われないと感じても、見えないところで何かが芽生えているかもしれません。
つらい時こそ、「また咲く、また実る」と心に置いてみてください。過去の失敗や別れが、やがて甘い果実になることもあるのです。
仏教ではモノゴトが常に移ろうことを「無常」と呼びますが、それは失うことではなく、変わり続ける希望なのです。
「千日尼御返事」
弘安3年(1280)/59歳
次の記事へ
妙福寺あれこれ | Comments(0)