日蓮上人の遺文『法華題目鈔』の一節に「梅子のすき声をきけば口に唾たまりうるをう」という言葉があります。
これは、人の心と行動の深い関係を鋭く捉えた言葉であり、梅干しを想像するだけで唾が出るように、物事は想像や信念によって現実の反応を引き起こすという例えです。
上人はこれを、お題目(南無妙法蓮華経)の力と信仰の働きを説明するために使っていますが、現代を生きる私たちにも重要な示唆を与えてくれます。
お仕事で困難に直面したとき、前向きなビジョンや信念を持てば行動が変わり、結果も変わっていきます。
逆に「どうせ無理だ」と諦め、ネガティブに考えれば心も体もその通りに動いてしまう。思考は現実化する――これは信仰に限った事だけではなく、お仕事や人生全般に通じる考え方ですね。
『法華題目鈔』/文永3年(1266)45歳
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