『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 仏教のススメ > 5時限目「お経って何が書いてあるの?」
お経はお釈迦様の言葉を弟子たちがまとめた釈迦語録です。
その量は膨大で8万9,384ものお経が存在すると言われています。
お釈迦様は“さとり”を開いてから45年間、人々の苦しみを取り除くために世の真理を伝え、教えを説いて回りました。
諸経の王と言われる法華経は、そのお釈迦様が晩年8年間で説いた教えをまとめたものです。
数十年にわたって教えを説いて回り、ある程度人々の理解がついてきたと判断したお釈迦様は最終段階の教えを説き始めます。重要なのはこの3点です。
今まで理解度に応じて段階を設けて教えを説いてきたが、どの段階の人でも最終的な目標は“仏”になることであり、そしてそれは全員が可能であるということ。
「仏を観る者は法を観る、法を観る者は仏を観る」肉体はいつか滅びるが、その教えは世の中の真理であるから始まりも終わりもない。肉体的な縛りを離れたお釈迦様は常に教えを説く準備をしているから「悩んだり苦しかったりしたらいつでも会いに来なさい」と説いている。
つまりその教えに触れるときは、お釈迦様に会うのと同じ意味を持っていて、望めばいつでも会えると言うこと。
自分の苦しみや悩みを根本から解決したかったら、周りの人のために行動すること。
世の中はすべてが相互関係にあるわけだから、周りの幸せを願うことは、最終的に自分の幸せとなる。
それを実践することが数ある修行で一番大切である。
以上が法華経の大切な部分です。
さまざまな教えは、この法華経を理解できるように説いた下地であり、この教えの中にお釈迦様の“さとり”は集約されています。