『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 仏教のススメ > 1時限目「人生のお供に、“苦”あり」
仕事や恋愛等の悩み、病気や死への恐れ等々、私たちは日常生活の中で大なり小なり悩みや苦しみを感じているものです。その原因はさまざまですが、悩みや苦しみが無いという方はおそらくいないのではないかと思います。
仏教を説いたお釈迦様も実はその悩みや苦しみを解決すべく出家をしたのです。
仏教では悩みや苦しみなどの“苦”について“一切皆苦(いっさいかいく)”と断言しております。
つまり世の中全ては苦であり、人が生きるということは必ず苦しみが伴うものであると教えているのです。
人生は苦しみ!と断言されると何ともやりきれない感じがしますが、その真理から目を背けたままではいつまで経ってもイキイキと人生を楽しむ事は出来ません。
お釈迦様はその真理にズバっと切り込んで、冷静に分析して苦しみの原因やコントロール方法を発見し、仏教としてその智慧を残しました。
つまり仏教とは、人間の永遠のテーマ〝悩み苦しみをコントロールし、いかに今をイキイキ生きるか?〟という事を突きつめた智慧の結晶なのです。